私は高校生の時は都内に電車通学していた。
高校生の頃は授業が終わると、とっとと家に帰る帰宅部であった。
そんなある日の帰宅の車中において私は途中の本屋で買った雑誌
『ミュ-ジックライフ』を一心不乱に読んでいた。
まだ編集長が東郷かおる子の前の星加ルミ子の時代である。
当時はMTVなんてないし、TVでロック(ポップス)をやっているのは1番組(ビ-トなんとかという番組、思い出せん。)だけであった。
よって見る情報はミュ-ジックライフから仕入れていた。
小遣いの少ない高校生には他の専門誌が欲しくても買えなかった。
外タレが来るとミ-ハ-な女性編集者が観光見物に連れて行ったり、日本料理を食べさせたりの記事が載る、そのくせ専門的な楽器の説明等は皆無な状態の洋楽アイドル的雑誌であった。
今思うと無駄な金使ってしまったと後悔もしている。(笑)
そんな雑誌を読んでいると前の席に座った学生が鋭い視線を私に向けている。
私は一人であったので恐る恐る前の席を見てみると、青い色の丈の短い制服のリ-ゼントヘヤ-の高校生が私の事を睨んでいる。
当時はリ-ゼントヘヤ-(又はポマ-ドベッタリのオ-ルバック)が不良の証であり髪の毛が庇のようにつき出した程不良程度が高い。(笑)
私は至ってまじめな高校生であり(高校で風紀委員)不良に絡まれるタイプではない。
特殊な学生服であったので何処の高校か判断がつかなかった。
すると前の車両から詰め襟がものすごく高い(顔の半分くらい迄ある)丈が膝くらいまである学生服、そしてダブダブのズボンのいかにも頭の悪そうな高校生が登場。
まるでヤクザが歩くような歩き方で車内を歩いてくる。
そして私の前の高校生を見たとたん、驚いた顔をして前の車両に急いで戻って行く。
『チョ○高だ!、チョ○高だ!』と喚きながら。
すると前の車両から10人以上の同類高校生と思われる集団(この高校のバッチからするとこの高校は当時、暴力沙汰で有名な大学の附属高校であり大学生も同じようなガクランを着ている)がわんさかとやってきて青い制服の学生を取り囲む。
周りの乗客も驚いて逃げ出す。
取り囲んだとたん、たった一人を10数人で蹴るは殴るはの暴行が始まった。
次の駅に到着するまでリンチは続き、一団が去ったあとにはボロボロになった高校生が倒れていた。
目は腫れ、唇からは血がにじむ。
学生服は破れ、シャツにも血が付いている。
あまりにも悲惨な状態であったので、持っていたチリ紙(当時はまだテッシュペ-パ-なんてない)を差し出したら黙って受け取って血を拭いていた。
骨とかは折れては居ないようで次の駅で降りて行った。
これが在日北○鮮高校生に対するリンチ(私刑)である。
初めてみたのでかなりのショックを受けた。
そして次の日には逆の立場で仕返しのリンチが行われるのである。